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VIX指数(恐怖指数)とは
くりっく365
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VIX指数は「投資家の不安心理を表す指数」と説明されますが、それが具体的に何を表しており、どう算出されるのかを解説します。

VIX指数(恐怖指数)とは

VIX指数は「S&P500(SPX)の変動率の市場予想」のことで、「VIX」は「SPXの将来変動の市場予想」を指数化したものとなります。
※SPXとは日経平均(日経225)のような株価指数で、VIX指数は「市場が30日後までの変動をどう見 ているか」を表し、数値が大きいほど将来変動が大きく、小さいほど変動が小さいと市場が見込んで いる事を表します。
尚、相場の下落時は上昇、平常時・上昇時は低く推移する特徴があります。

VIXどう算出されているのか

VIXはSPXのオプション価格から算出されます。

オプションとは

オプション取引とは、「将来の決められた日に、ある金融商品をいくらで買う権利、または売る権利」を売買する行為です。
※「将来のある日に株価がいくら以下に値下がりしていたら、権利行使価格とその時点での株価との差  額を受け取りたいとか、いくら以上まで値上がりしたらその分の差額を払います」という契約で、この契約に価格を付けて市場で取引しているわけです。

オプションのIV(インプライド・ボラティリティ)とは

では、現在1株1500円の銘柄を1カ月後に1500円で売れる権利の適正な価格はいくらでしょうか?

金融工学の産物、プライシングモデル

プライシングモデルに、非危険利子率・配当等、残存日数、権利行使価格、IV(インプライド・ボラティリティ)などを入れると、「プレミアム」を加味したオプション価格を算出できる算段です。
※市場参加者はこれを参照して、「保険契約」とも言えるオプションの価格形成をしています。

IV(インプライド・ボラティリティ)

プライシングモデルの中で、論理と現実との橋渡し役なのが「IV(Implied Volatility)」です。
※IVは「暗黙の変動率」と訳される概念で、オプションのプライシングモデルには「未来 の株価変動の見込み」を入れる変数が用意されています。

IV(暗黙の変動率)は市場参加者(人間であるとは限らない)が決めるので、「オプション取引は、実質的にIVを売買している」と(冗談めいて)揶揄されることもあるほどです。

VIXはS&P500オプションのIVから算出される

市場のオプション価格から、IVが前提としている「30日後までのSPXの変動率」を逆算できます。

S&P500(SPX)が大きく下げると、SPXオプションのプレミアム(保険料)が跳ね上がりるのは、保険料をアップしないと、保険の引き受け手が現れないからです。

または、暴落時のオプション価格からIVを逆算すれば、投資家が今後の株価の変動率を高く見積もっている(荒れた相場が今後も続く)と考えているかが分かるわけです。
※実際のオプション市場では、1つの SPX 指標に対して、多数の権利行使価格が設定されています。

VIX指数(Volatility Index)算出

そのそれぞれの権利行使価格についてIVを逆算し、ある数式で束ねて指標化して算出される数値がVIX指数(Volatility Index)です。
※VIXは「株の保険料の指数」みたいなもので、「保険料が高い=投資家が株価の先行きに不安を持っている」ことになるので「恐怖指数」と呼ばれるわけです。

奥深いボラティリティの世界

ボラティリティの世界は奥深く、デルタ・ガンマ・ベガ・セータといった基本的なギリシャ指標、高次ギリシャ指標、コール・プットのIVの歪みを表すスキュー(Skew)、スマイルカーブ、ボラティリティ・クラスタリングなど、他にも重要な要素・概念が存在します。

尚、VIXはシカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出する指数ですが、日本にも「日経平均VI」という似た指数が存在します。日経225を原資産とする日経225オプションから算出されている指数です。

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